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居酒屋こんびやTennoji Courtのあれこれについて♪

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志学会@枚方①

経営実践研究会の志学会@枚方に参加しました!

広報担当のあんなです。

先日10/26㈯、当社の取締役&女将の池田と共に、経営実践研究会による志学会@枚方に参加してまいりました。

Tennoji Courtとのコラボ企画「Ten-C Icecream」を販売してくださる松原市のA型就労支援事業所ライフサポートさんのキッチンカーも出店されていた、こどもミュージアムフェスタを主催されている株式会社宮田運輸宮田博文社長の講話が拝聴できる機会をいただけました。

まずは株式会社わけわけを運営されている野中健次代表より枚方での開催に関してのご挨拶があり、その後宮田社長のお話でした。

株式会社宮田運輸 宮田社長の講話

LIFE SUPPORTさんのラッピングキッチンカーで遊ばせていただくTen-Cガールズ

皆さんはこの写真のような、子どもが描いた絵をラッピングされているトラックや車を見たことありますか?実はこのラッピングを始められたのが株式会社宮田運輸さんです。

全てを網羅はできませんが、私の感想も交えながら、お伝えいただけたことについて記録したいと思います。

既存のトラックのイメージは「怖い」「危ない」というものが主流ですが、宮田社長は幼少期から何よりトラックがお好きだったそうで、そのネガティブイメージを払拭したいという思いがあられました。

「花は香り 人は人柄」というお母様のお言葉を、愛情込めてお話されている様子が印象的でした。

そんな温かな笑顔が印象的な宮田社長、23歳で急遽所長に就任された当初は「とにかくやらせる」という上から目線の強行的な仕事姿勢だったことにより、その当時はやはり部下の反発や意見の衝突なども多く、人を動かす難しさに直面していたと振り返られていました。そんな社長の言動・考えを変えるきっかけになったことはいくつかあり、ひとつは阪神淡路大震災。発生直後に道が分断されるなか、大きく山側の回り道を使い長い時間をかけて被災地に赴かれた社員の方は戻ってくるなり、ご自身が寝ていない状況にも関わらず、現地の窮状を目の当たりにしたことで「自分だけベッドでぬくぬくと眠るわけにはいかへん」「とにかく行かせてくれ」と必死に訴えられたそうです。その熱意は、人を突き動かす自主的・能動的な気持ち、その力の大きさに、人を動かすのは指図ではなく心からの大事な想いなんだと体感されたそうです。

そして何より忘れられない出来事が、寝屋川市で発生した自社の大型トラックとスクーターバイクの交通事故。事故の知らせを聞き駆けつけた病院で案内されたのは霊安室、そこに集まられたご遺族の最年長の男性、息子さんを亡くされた方に「どちらが良い悪いは私にはわからないが、とにかく息子には小学4年生の娘、私にとっての孫がいたことを忘れないでくれ」と静かにまっすぐ伝えられたそうです。

罵声や怒号ではなく、ただ静かにまっすぐ伝えられたその言葉の重みや当時のその場のことは鮮明なまま記憶に残っていて決して忘れることはないとのこと。

亡くなられたスクーターバイクを運転されていた男性も、大型トラックを運転されていた社員の方も当時43歳、運転士の方は1人で女の子2人を育てられていたそうで、その娘さんを預かっているお母様を案じ連絡した時にもただひたすらお母様は「すみません」と繰り返すばかり、そんな悲しい事故でした。

その事故をきっかけに社長は大好きだったトラックをなくす方法はないか模索していたそうですが、そんな本当に辛い時、大事なのは「人」であり「仲間」だと痛感されたとのこと。そんな仲間に「トラックを『なくす』じゃなく『活かす』方へ変えたらどうや」と言われたことで、思いを変換するに至ったそうです。

とはいえどうすればいいのか見当もつかず暗中模索する中、社員の方から、とある工場内で子ども達が書いた安全標語が掲示されていることを見たと聞かれ、同じ安全標語でも子どもが書いたものということで意味が大きく変わることを考えられ、

また、トラックのダッシュボードに運転士さんが「パパがんばってね」という子どもの走り書きを大切に貼っているのを見られたことで、運転士さんのお子さんの絵をトラックにラッピングするということを始められました。

子どもの絵がラッピングされたトラックを運転すると、運転士さんは子どもを助手席に乗せて走っているかのような感覚になるそうで、運転が優しくなり、そんな安全運転で速度を守っていても後続車から煽られないだけでなく、追い越す時に笑顔で手を振られることもあるそうです。

走行中だけでなくサービスエリアでの駐車中もいろんな人から声をかけられたり、運送先のお取引先企業からもお声がけのきっかけとなったり、見る人にも心温まるやさしい気持ちが生まれることで、従業員それぞれに「世の中の役に立っている感覚」が芽生えました。

それまでは業務的に「そことめといて」で簡素に終わっていた新しいトラックの納車も、絵を提供してくれたお子さんも交えて、紅白の垂れ幕で飾り安全祈願も含めた「納車お披露目式」により笑顔が溢れることで、25年勤めてこられた方が「人のためになっている実感があります」と初めて涙される式典に。

そんなラッピングトラック「こどもミュージアムプロジェクト」に賛同される企業さんはどんどん広がり、トラックだけでない場所にも。

例えば岐阜の賛同企業さんの休憩室は、社訓や標語が掲げてあった休憩室を子どもの絵にし、月替りで掲示を変えることで、つい笑顔になる明るい空間となり、愚痴が随分と減ったそうです。

また、宮田運輸さんでは業務のひとつである点呼や出発前の安全確認記録についても、サプライズで用意した社員の家族からのメッセージや絵の入ったタンブラーに挽きたての豆で淹れた珈琲を手渡すことで、つまらないルーティンタスクが「心」を込めて伝える時間に。

事業のために会社があるのではなく、人が幸せになるために会社があること。

社会課題を生み出さない心を育てることが何よりの目的・目指す目標だとおっしゃっていました。

起こした事実は変わらないが、意味を変えていくしかない。

1人でできることには限りがあるが、仲間と共になら、できることはいっぱいに増えていく。

人をとことん信じ抜く優しさ・愛だけで経営はできる。

生産性効率と比べれば、人の命ははかりしれないほどの価値がある。

人をおもう気持ちや優しさはみんながもっているのに、それがどう利益につながるのか問われた途端に行き詰まる。こんな利益追求・利益至上主義により、社会がやさしさを閉ざしてしまっている現実を変えていく必要がある。

人には良心があると信じるのが「優しさ」 信じ切るのが「愛」 その先にあるのが「和」

そうおっしゃっていました。

そんな講話の後、懇親会でお話するチャンスがあったので、当社TRYANGLE ZEROの社訓にもある「和」について宮田社長のお考えをお伺いしました。

唐突な私の質問でしたが、宮田社長は笑顔で『和』について「聖徳太子が言っていたほど歴史深く日本人に根付いてもともと備わっているもの。利益追求をするために国、人種、会社、社内の地位など細分化して分け隔てていく傾向にあるけれど、そういった垣根を越えた無分別の状態。目指す目的というより、もともと備わっているものやから、見直したり思い出す心みたいなもんやね。」とお話してくださいました。

話題となっているシャープのTwitterアカウント担当さんのスイミーについての文章にも通じますが、そこにある美しさに目を向けることで変わる世界、こういうことではないでしょうか。

振り返って

少し長くなったので、同日拝聴した野中代表のお話は別記事にしたいと思いますが、今回、宮田社長のお話から自社のことに立ち返った時、当社の経営者である池田充完社長や女将と出会った当初のことを思い出しました。

当時19歳で学生バイトだった私を雇ってくれた当時店長だった女将も、その後一緒にお店をやっていこうということになった池田充完社長も、社員バイトの分け隔てなく、一緒に働く仲間として、当時の運営元のえらい人(ざっくりですみません)との新店舗に向けての視察や食事会に同行させてくれたり、弱冠二十歳そこらのただの学生バイトの私にも名刺を作ってくれ、社内社外関係なくたくさんの常連さん達と仲良くなるきっかけやチャンスを与えていただきました。そんな風に信頼していただいた当時の経験はその後就職した他の業種の仕事でも通じる心根の部分を育ててもらえました。

そんな当時の出会いから20年、ずっと温かい心で身近な人ほど大切に、そして手を抜かずにひたすらご自身の仕事をきっちり地に足つけて続けてきたご夫婦二人が中心の当社だからこそ、社歌MVについ涙してしまうのかなと思います。

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